作文の構文  

起・承・転・結よりも現在・過去・未来

 

どう書くかという文章構成で最も広く知られているのが、起・承・転・結である。

 ではそれはどのような構文なのかとなると、なかなか明快に答えられない。よく引き合いに出されるのはつぎの江戸小唄である。

 

(起) 三条木屋町 糸屋の娘

(承) 姉は十七 妹は十五

(転) 諸国大名は 弓矢で殺す

(結) 糸屋の娘は 目で殺す

 

 糸屋の娘は妖艶な目をして、男はころりと参ってしまう。それを言いたいがための小唄だ。ここで効いているのが転の「諸国大名は 弓矢で殺す」である。この転の効果によって、糸屋の娘のイメージが強烈に定まる。

作文も起・承・転・結の作法を守れればいいが、起と承だけの文が圧倒的に多い。転抜きの起・承・結はまだいいほうだ。

 

マスコミ筆記試験の作文は800字が主流。

 

 毎日、共同が課す1000字は起・承・転・結がいいが、800字の朝日、NHK、読売、日経は現在・過去・未来と内容を書き分けたほうがいいだろう。まず書きたい内容の現在の状態から起こして、なぜこの状態になったのかについて過去の出来事やいきさつを述べ、最後にこれからの希望や展望に触れる、という段取り。もちろん主観文である。最後は自分の考えになるはずだ。

明るく締めくるのが絶対条件だ。以上